労働組合期成会『工場法案に対する意見書』目次
表 紙
〔期成会〕 会員所在地及び職業別
労働組合期成会工場法案修正要目
工場法案に対する意見
第一 法案適用の範囲
第二 工場の設備
第三 幼年労働者
第四 休 暇
第五 死亡傷痍
第六 職 工
第七 職工證
奥 付
解 説
この『工場法案に対する意見書』は、労働組合期成会が作成した小冊子である。読者として想定していたのは、主として、農商務省の諮問を受け、法案を審議していた農工商高等会議の議員らであるが、同時に世の識者に広く訴えることも意図していた。奥付では、明治31年10月31日印刷、11月3日の発行となっているが、発行に先立つ11月1日に、農工商高等会議の議員全員に配布されたことが、議事録から判明する。
意見書の内容は『日本運動史史料』第3巻に収録されており、既知のものである。ただこの小冊子は、日本最初の労働運動文書として著名ではあるが現物が残っていない『職工諸君に寄す』が、どのような形態であったかを推測させてくれる点で貴重である。
このパンフレットは、A5判よりやや大きい〈菊判〉である。表紙、裏表紙までふくめ全20ページの小冊子で、表紙裏に「会員所在地及職業別」が、裏表紙内側が「奥付」となっている。つまり裏表紙には、何も印刷されていない。
なお、ここでは見やすさを考えて、「会員所在地及職業別」は単独で掲載し、もともとは同一紙の表裏に印刷されている「労働組合期成会工場法案修正要目」「労働組合期成会工場法案修正要目」を見開きに収めた。以下、「工場法案に対する意見」も同様で、本来は見開きではないものが、同一面に収まる形になっている。
原本は、国立国会図書館および東京大学経済学部図書室に所蔵されている。
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