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私の薦めるこの1冊──岩波新書創刊60年記念号アンケート

 編集部からの次のような質問に答えたもの。

 岩波新書「私の薦めるこの一冊」をお教えください。その際、どのようなことからのご推薦かをお教えください。(a)生き方を考えるうえで示唆に富む、(b)情報として役に立つ、(c)楽しく豊かな時間を過ごせる、(d)その他。
 そして、ご推薦の理由、それにまつわる思い出などをお教えください。


二村 一夫(法政大学/歴史学)




石母田正『平家物語』

(d)その他(多様な読み方が可能な本で、あえていえばabcいずれにも該当)

 多くの謎に満ちた古典を読み解いた説得的な入門書であり、刊行後四〇年を経た今も生命力を失わない研究書でもある。読者は教科書的な結論を教えられるのではなく、著者とともに歴史・文学について考え、人間再発見の旅に誘われる。清盛、頼朝を素材に、人間が歴史を作り、歴史が人間を作ることを説いた「日本歴史の見方」(著作集第12巻所収)との併読を勧めたい。



初出は『図書』第584号(1997年12月、臨時増刊)




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written and edited by
NIMURA, Kazuo
『二村一夫著作集』
(http://nimura-laborhistory.jp)
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