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二村 一夫・是枝 洋

日本労働運動史参考文献案内

オンライン版著作集への掲載にあたって

 この論稿は今から四半世紀近い昔、1976年に、法政大学大原社会問題研究所司書・是枝洋氏との共同作業によって書いたものです。執筆当時はそれなりに意味があり、私が書いた論稿の中では、比較的多くの方に読んでいただけたようです。しかし文献案内としての性格上当然ですが、その後の研究の進展によって、今のままでは実際の役には立たないものと化しています。本来なら全面的に改訂して掲載すべきであると思いますが、しばらくそれだけの時間がとれそうにないので、まず掲載し、その上で少しずつ補正していくことにしました。ご了承くださるようお願いいたします。
 ただ冒頭で、さしあたり最低限追加しておくべき参考文献や情報を列記しておきます。うちいくつかは私が直接、間接に関与したもので、いささか我田引水的になりますが、お許しください。

【研究史・研究動向】

★小山弘健著『続日本社会運動史研究史論──その文献と研究』(新泉社、1979年)。
  本案内執筆以降、もっとも包括的な研究史案内。

【年表・事典】

★法政大学大原社会問題研究所編『新版 社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)
  1858年から1994年までの日本の社会運動、労働運動を中心に編集した年表。全項目に典拠文献を付しているので、これをたどればそれぞれの問題に関する比較的新しい研究文献を探し当てることができよう。また重要項目5200件については解説が加えられており『社会・労働運動史用語事典』としても使うことが出来る。

【文献目録】

 文献目録としては上掲の『続日本社会運動史研究史論』があります。しかし、それ以上に役に立つのはつぎのものでしょう。
大原デジタルライブラリ(http://oisr.org/dglb/index.html)。
  このサイトでは、採録件数約17万件〔2002年3月現在〕の「論文データベース」をはじめ、法政大学大原社会問題研究所が所蔵する図書すべてを検索できる「和書データベース」「洋書データベース」「書簡データベース」「画像データベース」「日本社会運動史料データベース」「戦前期原資料インデックス」などにアクセスできます。「論文データベース」のもとになったのは、法政大学大原社会問題研究所が1960年以降作成し続けてきた「労働関係文献月録」です。本案内以降、最近24年間に出た文献について調べたい時も、このデータベース群が役立つでしょう。たとえば「文献目録」をキイワードにして検索すると、是枝洋・小島英恵「労働運動史文献目録 1983年」『大原社会問題研究所雑誌』353号(1988年4月)をはじめ181件が出てきます。

【人名辞典】

★日本社会運動人名辞典編集委員会(代表 塩田庄兵衛)編『日本社会運動人名辞典』(青木書店、1979年)
★近代日本社会運動史人物大事典編集委員会編『近代日本社会運動史人物大事典』全5巻(日外アソシエーツ、1997年)

【機関紙誌】

★梅田俊英『社会運動と出版文化』(お茶の水書房、1998年)
  巻末に戦前の社会運動機関紙誌コメントつき一覧があり、そのうち復刻されているものの出版社名が付記されている。
〔2000.4.12追記、2002.3.12補訂〕


はじめに

 大原社会問題研究所と協調会が半世紀余にわたって集めた内外の労働問題、社会問題に関する文献を広く一般の利用に供するため、法政大学社会労働問題研究センターが設立されてから2年余りたった。センターのある法政大学麻布校舎は関東大震災直後の建築で、来られた方はみなその老朽ぶりに驚かれるのだが、われわれは、長年土蔵にしまいこまれていた資料が何とか利用できるようになっただけでも一大進歩だと自画自賛しているところである。〔この法政大学大原社会問題研究所麻布分室はすでに閉鎖されている。現在の利用手続きについては、法政大学大原社会問題研究所利用案内を参照ねがいたい。〕
 西川正雄氏が指摘されたように、日本の図書館や文書館の水準は低く、書誌など参考文献も不備で役に立つものが少ない(「ヨーロッパ労働運動史研究について──参考文献に関する覚え書」『歴史評論』1974年9月号)ことは否定できない事実である。現に、われわれ自身、しばしばこうした批判を直接受けてきた。とりわけ、あらゆる面で設備のととのった図書館を利用してきた外国人研究者は、限られた時間内で研究をまとめる必要があるだけに、どこから手をつけたらよいかわからない日本の現状に驚きあきれ、ほとんど例外なしにこの種の苦情をもらしている。
 われわれが一般公開を原則とする文書館を運営し、「労働関係文献資料月録」を作成し、あるいはごく一部ではあるが『経済学文献季報』の実務を分担し、あるいは『日本社会運動史料』の編集にあたっているのも、こうした現状を少しでも改善したいと考えるからである。
 仕事がら、さまざまな利用者に接し、またさまざまな質問を受け、そのたびにわれわれの力不足を痛感させられている。しかし、時としては、利用者の側で文書館や図書館の利用についての知識、というより常識を欠いていると感ずることもないではない。われわれの所に来られる方は、その多くが研究者あるいは研究者の卵であるのだが、半世紀以上もたってひどく弱っている新聞をパッパッと勢いよくめくる人はあとをたたず、中には自分の調べている地方の記事に、はじから万年筆でしるしをつけた人さえいる。

 ところで、担当者が困るのは、何を見たいのかいっこうにはっきりしない場合である。もちろん、その責任の一端は分類カード等を充分揃え得ないでいるわれわれの側にある。だが、時には、あらかじめ少し調べてから来てくれれば双方とも無駄な時間を使わずにすむのにと思うこともある。そうした時に感ずるのは、一般に参考文献の利用の仕方が下手だ、というよりほとんど使おうとしていないことである。参考文献の不備は事実だが、全くないわけではない。しかし、その存在さえ知らないのではどうしようもない。参考文献の不備の一因は利用者側のこれに対する軽視あるいは無視にあると思わざるを得ない。
 しばらく前のことである。あるアメリカ人の日本経済研究者に、文献や資料について質問を受けたことがある。彼はある大学に訪問研究員として滞在し、すでにかなりの期間たっていたのだが、『経済学文献季報』をはじめ、経済学関係の文献目録の存在を全く知らなかった。彼のいる大学には、すぐれた研究者が大勢いるのだが、誰一人彼にそうしたことを教えてはくれなかったというのである。どうも、参考文献の利用法などということは、学問以前の問題と考えられているらしい。
 実は、そう言うわれわれ自身、参考文献という道具の利用については、まったく自己流にやっていて、どれがどれほど役に立ち、あるいは役に立たないか検討したこともなく、また使い方についての情報交換もほとんどしていない。そこで、一度、日頃自分達が使っている参考文献について調べて見ようと思いたって、まとめたのが本稿である。
 筆者の専門もあり、また多少は研究状況も反映して、日本労働運動史といっても、著しく戦前期に偏ったものになりそうである。その点はあらかじめ御了承いただきたい。

 

1 研究史・研究動向

  本稿が予想している読者は、主としてこれから日本労働運動史について研究をはじめようとしている人である。すでに、はっきりしたテーマを決めている人もあろうし、漠然と運動史について勉強しようと思っている人もあるだろう。いずれにせよ、まず従来の研究がどのようなことを問題にし、どこまで明らかにしているか知る必要があろう。その際、役に立つのは研究史、あるいは研究動向に関する文献である。もちろん、多くの研究書、研究論文、書評等は何等かの意味で研究史的な内容をもっているが、ここでは研究史、研究動向を主題とするものに限ろう。

〔全般的な研究史・研究助向〕

(1)小山弘健編『日本労働運動社会運動研究史』(三月書房 1957年2月)
(2)小山弘健『日本社会運動史研究史論──文献目録とその解説』(新泉社 1976年3月)
(1)は「わが国の労働運動史ならびに社会運動史についてのこれまでの研究の発達のあとを、文献的にあきらかにしようとしたもの」で、明治期から、戦後(1956年8月)までに発表された「日本の労働運動ならびに社会運動についての歴史的叙述・歴史的研究の類を、系統的に整理分類し、それぞれに全体としての解説をくわえるという方法」で編まれている。労働運動史の研究史を主題としてまとめられた唯一の単行書で、日本労働運動史の書誌として、第一にあげるべきものである。本書は長い間絶版で、入手困難であったが、ごく最近、書名を改め、1956年末までの文献と、洩れていた文献を追加し、追加部分についての解説を加えた全訂版が発行された。(2)がそれである。
(3)塩田庄兵衛「さいきんの日本労働運動史文献について」(『歴史学研究』第163号 1953年5月)
(4)塩田庄兵衛「さいきんの労働運動史研究について」(『労働運動史研究』第5号 1957年7月)
(5)塩田庄兵衛「労働運動史研究の成果と課題」(『労働運動史研究』第38号、1965年5月)
 以上は、通史的研究を主な対象にした紹介と批判である。研究の歩みを概観する上で参考になる。
(6)犬丸義一「現代史研究解説」(岩波講座『日本歴史』現代4 1963年7月)
 1900年ころから1945年までを研究対象とする歴史研究全般を整理したものであるが、労働運動史にかなりの比重がかけられている。
(7)中西洋「労働運動史」(労働問題文献研究会編『文献研究・日本の労働問題」総合労働研究所 1966年1月)
 もとは、『季刊労働法』1962年6月号に「戦後日本労働運動史の研究動向」として発表されたもの。主として、戦後労働運動を対象とした通史的研究をとりあげている。
(8)二村一夫「労働運動史(戦前期)」(労働問題文献研究会編『文献研究・日本の労働問題》増補版《』総合労働研究所 1971年6月)
 戦前期を対象とする研究を中心に、1950年代後半から1970年までに発表された論文を検討している。
(9)吉見義明「日本(近代)4」(『史学雑誌』第82編第5号1972年の歴史学界 1973年5月)
 『史学雑誌』の「回顧と展望」で運動史関係の文献がとりあげられた数少ない例の一つ。「昭和期」を研究対象とする論文が紹介されている。
(10)高橋彦博・小林英夫「労働運動史関係文献の展望」(『労働運動史研究』第55・56合併号 労働旬報社 1973年9月)
 主として1972年以降の文献が紹介されている。
(11)高橋彦博「戦後労働運動史に関する最近の文献について」(『労働運動史研究』第57号 労働旬報社 1974年12月)
(12)塩田庄兵衛・中林賢二郎・二村一夫「労働運動史」(日本経済学会連合編『経済学の動向』中巻 東洋経済新報社 1975年1月)
(13)大江志乃夫・藤井松一他編『日本史を学ぶ』4・5(有斐閣 1975年9月、同10月)
 本書は、日本近代史、現代史研究の歩みをいくつかのテーマごとに論じたものである。全般的な研究史というより、つぎに見る主題別の研究史の項で紹介すべきものが多いが、便宜上ここで一括してとりあげておこう。労働運動史関係の項目としては、4に橋本哲哉「明治期労働運動と初期社会主義」、尾川昌法「都市騒擾・米騒動」、橋本哲哉・林宥一「大正期労働・農民運動」、5に犬丸義一「人民戦線・統一戦線」、増島宏「国民運動と統一戦線」など。このほかにも、小池喜孝「日本資本主義における差別」、安田浩「大正デモクラシー」(以上4)、犬丸義一「三二年テーゼと天皇制」、大江志乃夫「戦後民主主義」(以上5)などの関連項目がある。
 研究史は、当然のことながら、日本労働運動史研究文献目録としての性格をかねており、これによって従来の主要な研究文献はかなりの程度まで把握することができる。しかし、研究史や研究動向は筆者の問題関心によって取捨選択されており、必ずしも網羅的なものではない。
 (2)の続篇として『最近日本社会運動史文献解説──1957〜1975年』の刊行が予告されており、これが完成すれば、その欠をおぎなうことと思われる〔冒頭に追記した小山弘健『続日本社会運動史研究史論』がこれである〕。それまでは、つぎの各書に附された参照文献リストがある程度これに代わる役割を果たすであろう。
(34)松尾洋・大河内一男『日本労働組合物語』全5巻(筑摩書房 1965年4月〜73年10月)
(35)岡本宏『日本社会主義政党論史序説』(法律文化社 1968年11月)
(36)江村栄一・金原左門・藤原彰他編『日本民衆の歴史』第6巻〜第11巻(三省堂 1974年9月〜1976年2月)
 以上は程度の差はあるが運動史全般の研究史あるいは研究動向であるが、このほか特定のテーマについての研究のサーヴェイが若干ある。なお便宜上、研究史だけでなく関係文献目録も加えておこう。

〔賃労働の生成をめぐって〕

(14)津田真澂「賃労働の創出とその性格」(歴史学研究会編『明治維新史研究講座』5 平凡社 1958年12月)
 同講座第6巻は史料・文献目録である。また、1969年6月、別巻が刊行され、その後の文献が増補された。
(15)隅谷三喜男「賃労働史研究の展望」(明治史料研究連絡会編『明治前期の労働問題』御茶の水書房 1960年2月)
(16)山口徹「封建社会における雇傭労働──研究動向と問題の所在」(市川孝正他著『封建社会解体期の雇傭労働』青木書店 1961年1月)
 同書巻末には研究文献目録が付されている。

 〔大逆事件〕

(17)絲屋寿雄「大逆事件研究の歴史」(『労働運動史研究』第22号 1960年7月)
(18)小松隆二「大逆事件関係主要文献目録」(『労働運動史研究』第22号 1960年7月)

 

〔米騒動〕

(19)松尾尊兊「米騒動研究のあゆみ」(『歴史学研究』209号 1957年7月)
(20)長谷川博「米騒動」(有沢広巳他編『日本資本主義研究入門』第3巻 日本評論社 1957年11月)
(21)松尾尊兊「米騒動研究のあゆみ」(井上清他編『米騒動の研究』第5巻 有斐閣 1962年3月)
(22)平田哲男「米騒動研究の現段階」(『歴史評論』216号 1968年8月)
(23)増島宏「『米騒動』研究の成果と課題」(『労働運動史研究』第49号 労働旬報社 1968年12月)
 本号には法政大学米騒動研究会作成の目録「一九一八年の『米騒動』に関する文献」も収められている。

 

〔川崎・三菱両造船所争議〕

(244)渋野純一「大正一〇年川崎・三菱大争議の文献と研究史」(神戸史学会『歴史と神戸』第27号 1967年8月)

 

〔「第一次共産党」〕

(25)犬丸義一〔第一次共産党関係文献目録〕(法政大学大原社会問題研究所編『前衛(1)』『赤旗・階級戦』解題 法政大学出版局 1971年5月、1973年2月)

 

〔評議会史〕

(26)二村一夫「日本労働組合評議会史関係文献目録および解説」(みすず書房『現代史資料月報・社会主義運動(3)付録』 1965年10月)

 

〔人民戦線運動史〕

(27)岩村登志夫「日本人民戦線史をめぐる諸問題」(『歴史評論』第239号 1970年7月、のち同『日本人民戦線史序説』 校倉書房 1971年5月に収録)
(28)犬丸義一「日本における統一戦線」(歴史学研究会編『現代歴史学の成果と課題4』 青木書店 1975年3月)。
 なお、本稿は前掲の(13)『日本史を学ぶ』5 所収の犬丸義一「人民戦線・統一戦線」とほとんど同旨である。

 

〔戦後労働運動史文献目録〕

(29)「戦後労働争議文献目録」(藤田若雄・塩田庄兵衛編『戦後日本の労働争議』 御茶の水書房 1963年4月)
(30)渡辺悦次「戦後労働組合史文献目録(1)(2)」(『労働運動史研究』第47号、第50号 労働旬報社 1967年4月、69年6月)
(31)国立国会図書館閲覧部社会科学参考室編・刊『「安保闘争」1960年5月〜6月関係文献・資料目録』 1960年9月
(32)法政大学大原社会問題研究所編「三井三池炭鉱争議に関する資料・文献目録」(『日本労働年鑑』第34集 1962年版覆刻版 労働旬報社 1971年4月)
(33)「新左翼労働運動の現状と問題点、第2部 主な文献とその解説」(『主体と変革』19号 主体と変革社 1976年3月)

 2 関連文献目録

  当然のことながら、労働運動史研究にあたって参照すべき文献は、単に労働運動史と銘うったものには限られない。各人の研究テーマによって、関連分野の研究をフォローする必要がある。かりに、日本労働運動史の研究文献を完全に網羅した目録ができたとしても、一冊ですべての研究者の要求を満足させることは不可能である。また、目録はできたとたんに古くなる。結局のところ、研究者は各人の問題関心に応じて、絶えず自分自身の文献目録を作らざるを得ない。その際、役に立つ道具として、どのようなものがあるか見てみよう。
 まず参照される必要があるのは(42)『経済学文献季報』であろう。これは、この分野での主要な大学・研究機関を会員とする経済資料協議会によって1956年以降、継続して編集・発行されているもので、わが国の代表的な索引誌の一つである。当初は、社会科学文献季報と呼んでもよいほど幅広い分野をカバーしていたが、1967年8月の第44・45号以降、経済学関係の文献に重点をおくようになった。これは、労働運動史の書誌として最も主要な(1)『日本労働運動社会運動研究史』の刊行にわずかに先だって創刊されているので、以後の研究文献をフォローするには不可欠のものといえよう。参照すべき項目は、1−1社会科学一般、1−2社会思想、15−4労働運動、15−7社会問題、社会運動などである。ただ、この目録に限らず長期にわたって刊行されている索引誌では、分類や文献の選択基準、採録対象誌などにかなりの変動があるので注意してほしい。なお、経済資料協議会の機関誌『経済資料研究』には毎号「近代日本経済関係二次文献」などの「書誌の書誌」をはじめ参考になる書誌が見られる。
 つぎに参照すべきは(37)『日本経済史第一−第六文献』および(41)『経済史文献解題』昭和34年版以降であろう。本庄栄治郎によって始められたこの書誌は、大阪経済大学日本経済史研究所によって編集が続けられている。これは、(42)『経済学文献季報』(現在は年3回)にくらべ速報性では劣るが、累積目録であるから過去にさかのぼって文献を探すには便利である。また採録誌も『季報』が経済学中心であるのに対し、歴史学関係のものも含まれている利点がある。しかし、近現代史、とくに単行書は若干手薄の感がある。
 この点を補うものとして役に立つのは(44)『日本史文献年鑑』である。まだ創刊されたばかりなので、過去にさかのぼって検索することはできないが、他の索引誌では洩れることの多い地方史に関する研究誌、研究書が網羅されている。ただ、どのような文献目録でも、継続して刊行されてこそ価値が増してくるものである。この仕事が今後末ながく発展することを期待している。
 最後に、各主題にわたる一般的な目録として(61)『雑誌記事索引──人文・社会編』をあげておこう。国会図書館によって編集されている日本の代表的な索引誌である。ただし、使いにくいことでも定評がある。月刊でありながら、半年以上も遅れとても速報誌とはいえず、また累積版がないため、さかのぼって検索するにはまことに不便である。こうした点を改善するため、電算機による編集が企てられ、最近、1970年〜74年についての主題別累積版の刊行が始められた(1976年4月現在、社会、歴史・地理、文学・語学、教育・文化の各分冊が刊行ずみ)。
 いずれにせよ戦後比較的早い時期から、現在まで継続して刊行されている索引誌はこれしかないのが現状である。既刊分から探す場合は、編集方式の変化に注意を要する。すなわち16巻6号までは件名配列であり、その後は分類別となっているからである。件名配列のものは、分類別件名一覧表が巻頭にあるので、それによって自分の調べたい項目を探す必要がある。人物研究の場合などは件名配列の方が特定の人名を直接検索できるので便利である。電算機使用によって、分類表は変更される可能性があるが、現在の分類では労働運動史に関する文献は、労働運動、政治史、政治思想、政党、社会思想、社会問題、日本史−現代、賃金など多くの項目にふくまれている。他の分類索引でも同様だが、必ず上位の項目、たとえば労働一般、政治一般を参照する必要がある。なお、著者名索引が一年分ずつ、別冊で刊行されている。採録対象誌は最も幅広く多数であるが、短大の紀要、大学院生の研究雑誌、地方史の研究誌などは洩れている。私立短大の紀要等については(62)、地方史研究誌は(44)で補うことができる。

 以上、ある程度過去にさかのぼって検索しうるものを中心に紹介した。つぎに、比較的速報性の高いものをみよう。
 まずあげうるのは、大原社研が編集し、毎月『大原社会問題研究所雑誌』に掲載している(50)「労働関係文献資料月録」である。この「月録」の特色は、他では採録対象誌になっていない労働組合や政党をはじめ社会運動関係の諸団体の機関誌をカヴァーしていることである。これらの機関誌には運動史に関する研究文献は多くはないが、史料として役立つものが少なからずふくまれている。研究文献については経済学関係の諸雑誌に掲載されたものは比較的よくカヴァーしているが、歴史関係については弱い。今後できるだけ改善してゆきたいと考えるので、関連論文を発表されたときは掲載誌あるいは抜刷をお送りいただければ幸である。
 しかし、歴史関係の速報的書誌としては、(47)(48)(49)などがあるので、あわせて参照されれば、かなりの程度最新の研究業績をフォローすることができよう。(61)も本来は速報的索引である。
 単行書については特にふれなかったが、主題別文献目録の多くは、単行書も収録している。単行書一般について調べるには、速報誌として、(63)国立国会図書館の『納本週報』、および(64)出版ニュース社の『出版ニュース』がある。それらを1年分ずつまとめたものが(65)『全日本出版物総目録』、(66)『出版年鑑』である。また(67)『国会図書館蔵書目録』は数年分をまとめて発行しているので、さかのぼって検索するには便利である。
 『歴史評論』や『日本史研究』など、各種の雑誌の総目次も、別種の索引として役に立つ。そうした雑誌の総目次が、どの雑誌のどの号にのっているか教えてくれるのが(68)『雑誌目次索引集覧』である。ただ、若干古いので、1967年以降については、(69)『日本古書通信』の「最近の書誌図書関係文献」や(61)『雑誌記事索引』巻末の「雑誌総目次索引」を見る必要がある。
 なお、運動機関誌の総目次そのものを集めたものとして(70)『現代日本文芸総覧』がある。文芸運動関係の機関誌がふくまれている。われわれも社会運動機関誌の総目次集を作成すべく作業を進めているが、まだ刊行の予定はたっていない。ただ、『労働運動史研究』の初期の号には社会主義運動機関紙誌の総目次が掲載されている。
 以上のほか、紙数の都合で割愛した文献目録が少なくない。それらについては、さしあたり、(71)〜(74)にあげた書誌の書誌を見てほしい。
 ところで最後に問題となるのは、せっかく読むべき文献を見出しても、それがどこで読めるかわからない場合であろう。図書については残念ながら所蔵していそうな図書館へ問い合わせるほかないというのが現状であろう。雑誌については主に大学図書館の所蔵誌を対象とする(75)『学術雑誌総合目録』、(76)『全国公共図書館逐次刊行物総合目録』がある。ただし、その収録範囲や精度には限りがあるから、これも一応の手がかりというにとどまるのだが。

 

〔経済学・経済史関係〕

(37)本庄栄治郎『日本経済史文献』第1〜6(日本評論社 1933年4月〜1969年、第1〜3は1955年〜56年に覆刻)
 明治以降、1967年まで刊行のものを収録。
(38)日本経済史研究所編・刊『経済史年鑑』昭和7〜19年版(1933年10月〜1945年1月、『経済史研究』特集号として発刊)
(39)経済史研究会編『経済史年鑑』第1〜3冊(日本評論新社 1955年3月〜1956年9月)
(40)経済史研究会編『経済史文献』昭和32〜33年版(日本評論新社 1957年9月〜1958年10月)
(41)日本経済史研究所経済史文献編集委員会『経済史文献解題』昭和34年版〜(日本評論社 1960年3月〜昭和49年版より清文堂出版発行)
(42)経済資料協議会編・刊『経済学文献季報』有斐閣発売 1956年6月〜 年3回刊)
(43)大阪市立大学経済研究所『社会科学文献解説』第1〜10冊(日本評論社 1947年11月〜1953年7月)

 

〔歴史学一般〕

(44)地方史研究協議会編『日本史文献年鑑』1975年版〜(柏書房 1974年10月〜)
(45)歴史学研究会編『歴史学の成果と課題』1〜9(岩波書店 1950年8月〜1958年7月、7〜9は『歴史学研究』のそれぞれ196号、213号、221号に掲載)
(46)史学会編「歴史学界──回顧と展望」1948年〜 (『史学雑誌』58編1号〜 1949年6月〜 山川出版社)
(47)「史学文献目録」(『史学雑誌』69編6号〜 1960年6月〜 月刊 山川出版社)
(48)小川博編「日本史関係雑誌論文目録」(『日本歴史』83号〜 1955年4月〜 月刊 吉川弘文館)
(49)「地方史雑誌・文献目録」(『歴史手帖』1巻1号〜 1973年11月〜 月刊 名著出版)

 

〔労働問題一般〕

(50)法政大学大原社会問題研究所編「労働関係文献資料月録」(『月刊労働問題』27号〜 1960年8月〜 日本評論社)
(51)日本労働協会労働図書館編・刊「新着雑誌記事索引」(『労働図書館月報』21〜24号、『労働資料』25〜55号 1967年1月〜1970年3月)
(52)日本労働協会労働図書館編・刊「労働関係資料一覧」(『労働資料速報』1〜120号 1970年4月〜1975年3月)
(53)社会政策学会編「社会政策学会員研究業績一覧」(『社会政策学会年報」16号〜 1971年11月〜 御茶の水書房)
(54)労働省図書館編『戦後労働関係文献目録』(労務行政研究所 1964年10月)

 

〔労働法関係〕

 法学関係は参考文献が比較的よく整備されている分野である。
(55)『法律時報』編集部編『戦後法学文献総目録』(日本評論新社 1954年12月〜1955年8月)
(56)『戦後法学文献総目録』1954〜66年版 公法編、私法編(日本評論社 1966年)
(57)法務図書館編・刊『法律関係雑誌記事索引』第1号〜(1952年〜)
(58)最高裁判所図書館編・刊『邦文法律雑誌記事索引』1957年版〜(1958年〜)

〔その他〕

(59)日本政治学会編『日本政治学文献目録』(1967年〜東大出版会、9号までは福村出版発行)
(60)東北大学文学部日本思想史学研究室編・刊『日本思想史関係研究文献要目』昭和40年〜(『日本思想史研究』1号〜 1967年〜)

 

〔一般的なもの〕

(61)国立国会図書館参考書誌部編『雑誌記事索引−人文・社会編−』(紀伊国屋書店 1948年9月〜)
(62)東京都私立短期大学協会図書館研究委員会編・刊『私立大学・短期大学紀要類論文題目索引』1966年版〜
(63)国立国会図書館編・刊『納本週報』(1955年6月〜)
(64)出版ニュース社編・刊『出版ニュース』1946年11月〜 旬刊)
(65)国立国会図書館編『全日本出版物総目録』昭和23年版〜(大蔵省印刷局 1951年5月〜)
(66)出版ニュース社編・刊『出版年鑑』1951年版〜(1951年4月〜)
 なお、『出版年鑑』については布川角左衛門「出版年鑑の系譜」(『ちくま』75号〜 1975年7月〜 筑摩書房)を参照されたい。
(67)国立国会図書館閲覧部編『国立国会図書館蔵書目録 昭和34〜43年』(国立国会図書館 1970年3月〜1973年10月)
(68)天野敬太郎編『雑誌目次索引集覧 増補版』(日本古書通信社 1969年1月)
(69)『日本古書通信』(日本古書通信社 1934年1月〜)
(70)小田切進編『現代日本文芸総覧──文学・芸術・思想関係雑誌細目及び解題』上・中・下巻及び補巻(明治文献 1968年1月〜1973年8月)
(71)東京大学経済学部図書室編「日本経済学史」(『経済資料研究』第1号 1969年3月)経済資料協議会発行(以下同じ)
(72)生島芳郎「経営史」(同第4号 1971年9月)
(73)是枝洋「労働組合・労働運動」(同第6号 1973年2月)
(74)大槻弘「経済史」(同第9号 1975年4月)
(75)文部省大学学術局編『学術雑誌総合目録 人文科学和文編 1973年版』(日本学術振興会 1973年9月)
(76)国立国会図書館編・刊『全国公共図書館逐次刊行物総合目録』第1〜6巻(1963年〜68年)

 3 史料解説、史料集など

  日本労働運動史の史料案内としては、、さしあたり(77)〜(79)の3冊をあげうるのみである。書名が示すように、主としてとりあげられているのは社会主義運動に関する文献・史料であるが、狭義の労働運動についてもかなりの程度ふれている。共通した目的をもって編まれているが、それぞれ個性的で3冊とも独目の存在価値をもっている。(77)は第一次大戦前を対象に、いまでは容易に見ることのできない文献を紹介し、定期刊行物の主要目次を附している。(78)は、かの『日本資本主義発達史講座』のなかの一冊で、史料解説の形をとった社会主義史といった趣がある。1927年までを対象としている。(79)は前二者をひきつぐもので、明治維新から敗戦までを5期にわけて解説している。3冊のうち1冊だけ選ぶとすれば、対象時期の広さ、解説の詳しさ、入手しやすさ等からみて最後のものをあげることに異論はないであろう。ただし、労働者状態や労働争議に関する史料は全くふくまれていない。労働組合運動についても左派系のものを除いてほとんどふれられていない。
 この点を補うのが、(89)の『日本労働運動史料』である。これ自体は史料解説ではなく、戦前期の労働運動の基本史料を集成した史料集であるが、解説や注、あるいは資料源についての注記を通じ、労働運動の史料について多くを知ることができる。とくにこの史料集は、労働組合に関する史料を中心に編集している点に特色がある。最終巻である第11巻で、「史料別目次、主要人名、主要組合および団体名・主要労働組合機関紙誌名および解説」がなされることが予定されており、これが完成すれば、すぐれた労働運動史の史料案内となるであろう。問題は刊行が大幅に遅れていることで、史料集全9巻のうち、4〜6の3巻が未刊である。なお、第10巻統計篇については後でふれる。
 史料集としてはこのほかに(90)〜(97)にあげるようなものがある。それぞれ特色があるが、大まかに特徴づければ、1、編者が重要史料とみるものだけを集成したもの、2、特定の組合、団体等の史料をできる限り網羅的に集めたものがある。多くの史料集は前者である。後者の例はわれわれのところで編集した(93)(94)などである。

 ところで、労働運動史の一次史料として最も基本的で、また比較的利用価値が高いのは労働組合や政党など諸団体の機関紙誌であろう。定期的に刊行されたものだけに、その団体の活動を比較的系統的に知ることができること、史料の執筆者や執筆した時点が明らかなものが多いことなどの利点があるからである。機関紙誌にどのようなものがあるかを知るには、(81)(82)などがある。また第一次大戦前については(77)が役に立つ。
 しかも、機関紙誌については覆刻がさかんにおこなわれているので、利用が著しく容易になっている点も便利である。(98)(99)は主要な機関紙誌をシリーズとして覆刻したものである。このほかにも単発で出されているものが少なくない。覆刻本の書誌としては(69)『日本古書通信』にとびとびに連載されている「復製復刻本書目」があるが、現物で確認して作成された書誌ではないらしく不正確な点が目につく。参考までに覆刻された主要な機関紙誌名だけを列記しておこう。なお、最近は多くの労働組合や政党などが機関紙の縮刷版を出している。これについては、いずれ大原社会問題研究所の『資料室報』に目録を掲載する予定であるので、ここでは省略した。
 『労働世界』、『友愛新報』、『へちまの花』、『近代思想』、『文明批評』、『新神戸・労働者新聞』(ただし、1925年まで)、『労働運動』、『種蒔く人』、『社会問題研究』、『インターナショナル』(一部未完)、『赤旗』、『黒色戦線』、『黒色青年』、『文芸戦線』、『新興教育』、『唯物論研究』、『国際文化』、『プロレタリア文学』、『世界文化〕、『土曜日』、『労働戦線』、『労働新聞』、『労働者』、『歴史科学』(刊行中)
 労働運動史の史料として、系統性、網羅性という点で機関紙誌をしのいでいるのは、労働年鑑と各種の官庁資料である。年鑑については後でもふれるが、ここでは(85)〜(88)の文献目録をあげておこう。各年度に刊行された労働問題の図書、文献のリストで、史料を探求する際の有力な手がかりとなるからである。

 官庁資料については、(83)(84)を参照されればかなりの程度までその内容を知ることができる。機関紙誌と同じく、ここでもさかんに覆刻がおこなわれている。ただし覆刻のやり方はいささか安易なものが多く、索引をつけているものはほとんどなく、目次にしても原本の目次を集成したものがあればいい方である。解説もごく一部に付されているにすぎない。
 なおここにあげたほかにも、『工場監督年報』や『出版警察報』などは労働運動史の史料として重要である。
 つぎは未公刊の史料である。これには多様なものがある。たとえば個人の日記や書簡、メモ等である。このなかには、機関誌や官庁資料などではとうてい知ることができない運動の内面を明らかにしうるものが少なくない。あるいは治安警察法や治安維持法違反事件の裁判記録も、個人の経歴や交友関係を知る重要な手がかりとなる。あるいは組合大会の議案や議事録、さらには諸通達類、ビラ、会計記録等々も未公刊のものが多い。機関紙類にしても、いまではごく少部数しか残っていないものが多い。
 こうしたものは、その所蔵者あるいは所蔵機関をさがして見せてもらうほかはない。運動関係者やその遺族のところには、まだこうした史料が埋もれている可能性がある。そうした人々を探す手がかりについては後述する。裁判資料は、その事件を管轄した地方検察庁が保存していることが多い。予審調書などは被告側が謄写することができたから、担当弁護士など関係者の手許に残っていることがある。
 こうした史料を最も集めているのは、おそらくわれわれのところであろう。大原社会問題研究所の所蔵資料の概要については、さしあたり『資料室報』第129号(1967年4月)の特集・所蔵図書資料の紹介を参照されたい。(107)〜(127)にこの分野の文献・史料を所蔵している大学や研究機関の所蔵目録を掲げた。ただし、これらの機関の所蔵資料がすべて目録化されているわけではない。所蔵資料の詳細、利用手続き等については直接問い合わせていただきたい。
 法政大学大原社会問題研究所の場合は、利用資格に特別の制限はない。夏季休暇等をのぞき、月曜から金曜の午前9時から午後4時半まで、土曜は午前9時から11時半まで一般の閲覧に応じている。ゼロックスによる複写可能。閲覧等についての問合わせは、電話(042)(783)2305へ。研究所の所在は東京都町田市相原町4342。詳しくは研究所の利用案内を参照されたい。

 

〔史料解説・史料目録〕

(77)大原社会問題研究所編『日本社会主義文献第一輯』(同人社書店 1929年9月)
(78)細川嘉六『日本社会主義文献解説』(岩波書店 1932年11月)
(79)渡部義通・塩田庄兵衛編『日本社会主義文献解説』(大月書店 1958年2月)
(80)小山弘健「日本マルクス主義文献解説」(『日本マルクス主義史概説』芳賀書店 1967年12月)
(81)小山弘健「大正以降 労働運動・社会運動機関紙・誌1覧」(京都大学文学部国史研究室編『日本近代史辞典』付録30 東洋経済新報社 1958年11月)
(82)小松隆二「大正昭和初期における自由連合主義労働運動と機関紙誌」(『労働運動史研究』第33号、第35号、1962年5月、63年3月)
(83)小森恵「帝国憲法下に於ける社会思想関係資料」(『みすず』第20〜28号 1960年11月〜1961年7月)司法省および内務省が作成した各種調査等についての紹介
(84)岡本洋三「文部省関係の階級運動調査資料について」(『労働運動史研究』第33号 1962年9月)
(85)大原社会問題研究所編「社会問題関係主要図書並に論文目録」(『日本労働年鑑』大正10〜昭和8年版 同人社ほか 1921年7月〜1933年12月、覆刻版法政大学出版局)
(86)大原社会問題研究所編・刊「社会問題関係主要雑誌記事目録」(『月刊大原社会問題研究所雑誌』1巻1号〜3巻8号 1934年7月〜1936年8月)
(87)協調会編・刊「社会問題文献抄録」(『労働年鑑』昭和13〜15年版)
(88)中央労働学園編「労働問題文献目録」(『労働年鑑』昭和22〜31年版)

 〔史料集〕

(89)労働運動史料委員会編『日本労働運動史料』(労働運動史料刊行委員会 1959年3月〜、既刊 第1〜3、7〜10巻)
(90)岸本英太郎他編『資料日本社会運動思想史』(青木書店 1955年4月〜65年12月、はじめ文庫本として13冊、71年9月に6巻の新装本として刊行)
(91)社会文庫編『社会文庫叢書』第1〜9(柏書房 1964年9月〜1966年9月)
(92)田中惣五郎編『資料大正社会運動史』上・下(三一書房 1970年7月〜10月)
(93)法政大学大原社会問題研究所編『労働運動資料』第1〜12集(法政大学大原社会問題研究所 1956年4月〜1967年3月、第1集 関東合同争議調査記録 第2〜12集 日本労働組合評議会資料 その1〜2)
(94)法政大学大原社会問題研究所『日本社会運動史料 原資料篇』(法政大学出版局)
 既刊は無産政党史料1『政治研究会・無産政党組織準備委員会』のみ。同2『労働農民党(1)』が近刊予定。
(95)「現代史資料」(1)〜(45)(みすず書房、1962年9月〜)
 労働運動史に直接かかわるものは第14巻〜第20巻の社会主義運動(1)〜(7)。3・15事件をはじめとする治安維持法違反事件に関する裁判記録など。
(96)労働省編『資料労働運動史』昭和20・21年〜(労務行政研究所 1951年11月〜)
 系統的な戦後労働運動の史料集として(162)とともに双壁をなす。
(97)大河内一男編『資料戦後二十年史 4 労働 』(日本評論社 1966年10月)

 〔覆刻〕

T 機関紙・誌

(98)労働運動史研究会編『明治社会主義史料集』(明治文献 1960年10月〜1963年12月)
 直言、光、新紀元、日刊平民新聞、大阪平民新聞 (附・日本平民新聞、労働者・農民のめざまし)、週刊社会新聞、東京社会新聞(附・革命評論)、世界婦人、熊本評論(附・東北評論、平民評論、自由思想)、週刊平民新聞、社会主義研究、労働世界、社会主義、火鞭を覆刻。
(99)法政大学大原社会問題研究所編『日本社会運動史料 機関紙誌篇』(法政大学出版局 1969年3月〜)
 既刊は、デモクラシイ、先駆、同胞、ナロオド、建設者、青年運動、無産階級、無産農民、労働及産業(1)〜(6)、前衛、赤旗、階級戦、無産者新聞(1)〜(3)、マルクス主義(1)〜(11)、土地と自由(1)(2)、労農(1)〜(12)、『前進』(1)(2)、『大衆』(1)〜(3)

 U 官庁資料

(100)『日本社会運動史料』第1〜2集(明治文献 1956年)
 第1集 警保局編『社会主義者沿革』上・中・下、第2集 同『特別要視察人状勢一斑』正篇・続篇1〜3
(101)警保局編『社会運動の状況』昭和2〜17年(三一書房 1971年11月〜1972年5月)
(102)警保局編『特別高等警察資料』(東洋文化社 1973年5月〜1974年1月)
(103)警保局編『特高月報』(政経出版社 1973年)
(104)社会局労働部編『労働運動年報』大正11〜昭和12年版(明治文献 1971年6月〜1972年5月)
(105)司法省刑事局編『思想研究資料特輯』(東洋文化社 1971年9月〜)
(106)刑事局編『思想月報』(文生書院 1972年10月〜1974年5月)

 

〔所蔵目録〕

(107)法政大学大原社会問題研究所編・刊『所蔵文献目録戦前の部』(1969年2月)
(108)同「大原社研蔵労働争議・小作争議・治維法関係等裁判記録類目録──大正8年〜昭和5年」(『資料室報(大原社研)』113号 1965年10月)
(109)同『松川裁判と松川運動に関する資料目録』(1971年12月)
(110)同「労働組合史所蔵文献目録」(法政大学大原社会問題研究所資料室報第219〜220号 1975年11月〜12月)
(111)法政大学図書館編・刊『法政大学逐次刊行物総合目録人文・社会問題科学篇』(1966年5月)
 大原研究所と協調会文庫の逐次刊行物をふくむ総合目録。近く新版が出る予定である。
(112)東京大学経済学部編・刊『本邦労働組合運動史目録』(1965年1月)
(113)東京大学経済学部編・刊『東京大学経済学部所蔵 明治文献目録』(1969年3月)
(114)慶応義塾図書館編・刊『慶応義塾大学雑誌目録 和文編』(1967年3月)(115)早稲田大学図書館編・刊『早稲田大学図書館和文雑誌目録──昭和41年12月末現在』(1968年10月)
(116)同志社大学人文科学研究所キリスト教社会問題研究会『キリスト教社会問題研究会雑誌新聞目録 1970』(同志社大学人文科学研究所 1970年1月)
(117)京都大学附属図書館編・刊『京都大学和文雑誌総合目録付中国文・朝鮮文雑誌』1974年版(1975年)
 京都大学では人文科学研究所に史料がよく揃っている。
(118)日本近代文学館編・刊『日本近代文学館所蔵雑誌目録稿−昭和46年12月末現在』(1972年7月)
(119)国立国会図書館整理部編『国立国会図書館所蔵和雑誌目録』(国立国会図書館 1974年11月)
(120)「東天紅−明治新聞雑誌文庫所蔵目録』覆刻版(明治文献 1974年7月)
(121)労働省図書館編・刊『労働省図書館蔵書目録 和書の部』T〜U(1973年3月〜1974年3月)
(122)日本労働協会労働図書館編・刊『日本労働協会労働図書館図書資料目録(和書)−昭和39年3月31日現在−』(1964年10月)
(123)国立国会図書館参考書誌部法律政治課憲政資料室編『浅沼稲次郎関係文書目録(稿)』(国立国会図書館 1971年8月)
(124)同志社大学人文科学研究所キリスト教社会問題研究会編・刊『近藤栄蔵文庫目録』(1969年3月)
(125)兵庫県労働研究所労働運動史編さん室編・刊『古家実三氏所蔵労働運動史資料目録』(1957年10月)
(126)同『高岡孟子氏所蔵労働運動史資料目録』(1958年3月)
(127)兵庫県労働部労働調査室編『今津菊松氏所蔵労働運動資料目録(1〜2)』(兵庫県 1966年3月〜1973年3月)

 4「ききとり」について

  史料の一つに「ききとり」による関係者の証言がある。「ききとり」調査は歴史研究では、日本の近・現代史を研究するものだけに可能な、その意味では特権的な研究手段であるといえよう。とりわけ労働運動史研究にあたっては、ききとり調査のもつ意味は大きい。なぜなら、運動の担い手であった労働者はたとえ指導的な活動家であっても文書による記録を残すことが少ないからである。また残されている文書にしても、きびしい弾圧のもとで出されたものだけに、意識的に重要な事実が伏せられたり、曲げられたりしている場合が少なくない。こうしたことを明らかにするには「ききとり」によるほかないことがある。たとえば、われわれは『日本社会運動史料』として機関紙誌の覆刻をしているのだが、重要論文がペンネームで発表されていることがしばしばある。この筆者を知る最も有力な手段は「ききとり」である。
 また、文書史料相互の間で矛盾する「事実」が記されている場合は決して少なくない。たとえば、予審調書などで関係者の供述がくいちがうことは、しばしばである。「ききとり」は、こうした点を解決するのに役立つことがある。
 問題は、当事者の記億が常に正確であるとは限らない、というより不正確である場合が多いことである。これは、ある意味では当然で、われわれ自身が「ききとり」される立場に立って考えてみればすぐわかることである。まして、われわれが聞こうとしている問題が40年も50年も前のことであれば、よほど印象深いことでなければ忘れてしまったり、思い違いをしていることがあっても不思議ではない。
 したがって、「ききとり」に当たっては事前の準備が重要である。漠然と昔話を聞きに行ったのでは成果は得られない。あらかじめ、「ききとり」対象者について調べ、質問事項をはっきりさせておく必要がある。また、簡単なものでよいから本人に関連した事実についての年表を作成しておくこと、また本人とかかわりがあった人々のリストを作っておくと役に立つ。事がらの前後関係がはっきりしないこと、正確な人名を思い出せないことなどが記憶をよみがえらせる妨げとなるからである。できれば、関連した機関紙誌やビラなどの文書史料を見てもらいながら話をきくと、本人もすっかり忘れていた事実をひきだすことがある。
 「ききとり」を記録するにはテープレコーダーが不可欠だが、録音する前にあらかじめ許可を得ることを忘れてはならない。また、テープに録音しているからといってメモをとるのを怠ると、質問すべき点を落とすことがあり、聞きとった内容を整理するのに「ききとり」に要した以上の時間を費さざるを得なくなる。
 最後に若い研究者に是非お願いしたいのは、関係者からの「ききとり」を早急にすすめることである。運動関係者はいずれもかなり高齢の方ばかりであり、最近は、その訃報を目や耳にする機会が増している。今のうちに、一人でも多くの方からその貴重な体験をきき、記録しておくことはわれわれの義務であろう。
 現在、全国各地に旧友会、あるいは旧友クラブといった名の運動体験者を中心にした組織がつくられている。新潟など一部の会は、研究者も参加して、活発に活動し、その会報には貴重な記録がのせられている。しかし、何分にも高齢者ばかりであるので、多くの会は若い世代の協力を必要としているように思われる。現在、旧友会が組織されているのはつぎの各地である。
 北海道、青森、宮城、秋田、群馬、東京、神奈川、新潟、石川、山梨、長野、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、和歌山、岡山、広島、徳島、福岡。
 なお、運動関係者の消息・所在を知るには各地の旧友会の機関紙誌や会員名簿のほか、(128)〜(131)の名簿が役に立つ。後出の2冊の『解放のいしずえ』(134)(135)も一つの手がかりとなる。また、何等かの著作がある人については(132)『著作権台帳』で調べることができる。電話帳も有力な情報源であり、東京八重洲など各地の電々サービスセンター、国会図書館、日比谷図書館等に行けば全国の電話帳を見ることができる。
(128)東大新人会五十周年記念行事発起人会編・刊『創立五十周年記念東大新人会会員名簿』(1969年)
(129)「旧建設者同盟会員名簿」(『資料室報(大原社研)』第163号 1970年7月)
(130)大阪の解放運動を語る会、戦前のメーデーを偲ぶ会編・刊『大阪社会運動家名簿(戦前活動家の部)』(1969年4月)
(131)堅田精司編・刊『北海道社会運動家名簿仮目録』(1973年5月)
(132)日本著作権協会編・刊『著作権台帳−文化人名録−』(1951年3月〜)

 5 人名辞典、人物文献目録

  人名辞典として役に立つのは、戦前については(133)の『無産運動総闘士伝』、戦後については(143)(144)などである。(133)は労働記者の筆になるもので、エピソードもまじえ読物としてもなかなかのものである。ジャーナリスティクな筆致の割には事実は正確であるように思われる。しかし、何分にも1931年現在、第一線で活躍していた約240人しかとりあげていないので、辞典としては限界がある。これをある程度おぎなうのは(134)(135)の二冊である。これは、東京青山墓地にある解放運動無名戦士墓に合葬された6313人の略歴を記したものである。(135)には出身地、および活動地によって合葬者を府県別にわけた名簿が付されている。
 なお、現在、労働運動史の人名辞典の編集作業が進められており、これが完成すれば事態はかなり改善されるであろう。それまでは(136)以下も参考になろう。
 労働運動、社会主義運動の指導的な立場にあった人々については、数多くの伝記や回想記が出されており、全集や著作集も少なくない。また、年譜や著作目録もある程度作成されている。ここで一人一人について具体的にあげることは紙幅の制約もあってできないので、(145)(146)(147)の人物に関する書誌を参照してほしい。
(133)野口義明『無産運動総闘士伝』(社会思想研究所1931年6月)
(134)解放のいしずえ刊行委員会編『解放のいしずえ』(解放運動犠牲者合葬追悼会世話人会 1956年10月)
(135)解放運動犠牲者合葬追悼会中央実行委員会編・刊『解放のいしずえ 新版』(1973年3月)
(136)思想の科学研究会編「転向思想史の人びと−略伝−」(『共同研究 転向』下巻 平凡社 1962年4月)
(137)「〔新人会機関誌〕執筆者略伝」(『新人会機関誌 デモクラシイ・先駆・同胞・ナロオド』覆刻版(法政大学出版局、1969年3月)
(138)「〔建設者同盟機関誌〕執筆者略伝」(『建設者同盟機関誌T建設者』覆刻版(法政大学出版局 1972年1月)
(139)「〔前衛〕執筆者略伝」(『前衛』覆刻版 法政大学出版局 1972年8月)
(140)山木茂『広島県解放のいしずえ』(山新 1973年9月)
(141)高知県人名事典編集委員会編『高知県人名事典』(高知市民図書館 1971年12月)
(142)萩原晋太郎編『アナキスト小辞典』(同刊行会 1975年10月)
(143)社会労働協会編・刊『労働人事名鑑』改訂版(1960年6月)
(144)日刊労働通信社編・刊『最新労働組合役員名鑑──70年代労働組合のリーダー』(1973年2月)
(145)国立国会図書館参考書誌部編・刊『日本社会・労働運動家伝記目録』(1966年2月)
(146)国立国会図書館参考書誌部編『人物文献索引人文編、法律政治編、経済社会編』(国立国会図書館 1967年8月〜72年3月)
(145)は1965年10月まで、(146)の人文編は1945年〜64年刊行分、経済・社会編は、明治〜1968年刊行分、法律・政治編は、明治〜1971年までの刊行分を収録。列伝もふくむ。
(147)法政大学文学部史学研究室編『日本人物文献目録』(平凡社 1974年6月)
 明治から1966年末までに刊行されたものを収録している。

6 年表

 労働運動史年表としては(148)〜(150)が主なものである。このほかにも地方的な労働運動史年表がいくつかあり、単行書に付された年表も少なくないが、すべて省略した。
 それぞれ特色があるが、使いやすいのは(150)であろう。同書もその一巻である「日本現代史年表」(全7巻)全体に共通するところだが、偶数ページに年表、奇数ページに重要項目の解説があり、小辞典をかねている。索引が前の二書よりよくできている。
 (151)は名は労働運動史年表であるが、内容は労働争議年表である。第1巻だけで7206件の争議が、典拠および参考文献を付して収録されている。府県別の工場・会社名索引も便利で、明治、大正期の労働運動史研究の参考文献として必備のものである。第2巻以降の刊行が望まれる。
 また、労働運動史に関連した分野の特殊年表としては(152)〜(156)がある。
 一般的な年表としては(157)(158)の2点が役に立つ。(157)は各項目の典拠を付している。戦前の労働の項はできる限り一次史料によって確認することにつとめているので、限られた範囲内ではあるが、関連史料を探索する手がかりになるであろう。(158)は戦前と戦後にわかれ、それぞれきわめて詳細な索引が付されている。しかし、労働運動に関する項目はあまり多くはない。
(148)渡部義通・塩田庄兵衛編『日本社会運動史年表』(大月書店 1956年9月)
(149)小山弘健也『日本労働運動史社会運動史年表』(青木書店 1956年9月)
(150)渡部徹『現代労農運動史年表』(三一書房 1961年1月)
(151)青木虹二『日本労働運動史年表』第1巻 明治大正編(新生社 1968年5月)
(152)三井礼子『現代婦人運動史年表』(三一書房 1963年3月)
(153)遠山茂樹・山崎正一・大井正『近代日本思想史年表』(青木書店 1957年7月)
(154)山田宗睦『現代思想史年表』(三一書房 1961年3月)
(155)斎藤昌三『現代筆禍文献大年表』(粋古堂書店 1932年11月)
(156)小田切秀雄・福岡井吉『昭和書籍雑誌新聞発禁年表』(上)(中)(下)(明治文献 1965年6月−1967年6月)
(157)勝本清一郎他編『近代日本総合年表』(岩波書店 1968年11月)
(158)東洋経済新報社編・刊『索引政治経済大年表』上・下巻各年表編、索引編(1971年6月)

7 辞典・年鑑

  労働運動史の専門辞典としては、年表のところにいれた(150)をあげうるにすぎない。しかし、項目数は430足らずでしかない。これをある程度おぎなうのは、つぎの(159)(160)であろう。(161)は辞典ではないが、索引が詳細であるため、事実上の労働運動史辞典となっている。これと、(162)(163)の2種の労働年鑑を併用すれば、かなりの事実は調べることができる。また、この2種の労働年鑑に付されている文献目録は史料を探す上で役に立つ(85)〜(88)。また、(163)の内外労働日誌は、『社会政策時報』第8号以降の労働ノートおよび国内労働日誌、国内労働界情勢に継続するもので、戦前の労働年表としては最も詳細なものである。(162)(96)の労働日誌は戦後の労働運動年表として役に立つ。
(159)京都大学文学部国史研究室編『日本近代史辞典』(東洋経済新報社 1958年11月)
(160)大河内一男編『岩波小辞典 労働運動』第2版(岩波書店 1973年10月)
(161)協調会編・刊『最近の社会運動』(1930年)
(162)法政大学大原社会問題研究所編『日本労働年鑑』大正9年版〜(労働旬報社他 1920年5月〜)
(163)協調会編・刊『労働年鑑』昭和8〜17年版(1933年12月〜1942年12月)

8 統計

  統計集として便利なのは(89)『日本労働運動史料第十巻』である。戦前の基本的な労働統計はかなりの程度までこれに収められている。もちろん、実際に統計を使うにはこれだけでは充分ではない。『日本帝国統計年鑑』や府県統計書など各種の統計書にさかのぼる必要がある。どのような統計があり、どのような特徴(というより欠陥)をもっているかを知るにはさしあたり(164)〜(166)などが役に立つであろう。
 戦後の労働統計は(167)『労働統計年報』に網羅されている。
巻末に「調査の説明」が付せられており、各調査の沿革、調査方法などを知ることができる。(170)『労働統計要覧』はいわばこのダイジェスト版である。戦前も同名のものが1924年から継続して刊行されている。戦後の労働統計の利用については(171)が参考になる。
 なお、戦前・戦後の日本経済に関する基本的な統計を集成したものに(172)『日本経済統計集』がある。
 ところで、(89)や(172)だと多くの統計を集成したものには、調査方法等の変化によって、本来接続しえないものを便宜的に一表にまとめたものが少なくない。もちろん(89)も(172)も資料源や調査方法の変遷を注記している。しかし、利用者の側で、こうした点を無視して勝手な結論をひき出している例もないではない。注意を要する。
(164)高野岩三郎「本邦社会統計資料解説」(『経済学全集』第52巻、改造社 1933年5月)
(165)日本統計研究所編『日本統計発達史』(東京大学出版会 1960年)
(166)相原茂・鮫島龍行編『統計日本経済──経済発展を通してみた日本統計史』(『経済学全集』第28巻、筑摩書房 1971年4月)
(167)労働省大臣官房労働統計調査部編・刊『労働統計調査年報』昭和23年〜昭和26年、1950年3月〜1952年10月、昭和27年版より『労働統計年報』と改題、刊行中。
(168)社会局『労働統計要覧』大正13年版(帝国地方行政学会 1924年12月)
(169)内閣統計局編『労働統計要覧』大正15年版〜昭和14年版(東京統計協会 1926年6月〜1940年)
(170)労働省労働統計調査部『労働統計要覧』1965年版〜(労働法令協会 1964年12月〜)
(171)野村俊夫『日本の労働統計見方・使い方 改訂増補版』(労働法令協会 1966年6月)
(172)日本統計研究所編『日本経済統計集−明治・大正・昭和−』(日本評論社 1958年4月)

 付 文献探索法一般

 図書館の利用法、古書店などを通じての文献入手法など、ふれるべくしてふれえなかった問題については、さしあたり次の二書を参照していただきたい。
(173)紀田順一郎『現代読書の技術』(柏書房 1975年6月)
(174)加藤秀俊『取材学−探求の技法』(中央公論社 1975年10月)



初出は歴史科学協議会編『歴史科学への道 上』(校倉書房、1976年)所収。







Written and Edited by NIMURA, Kazuo @『二村一夫著作集』(http://nimura-laborhistory.jp)
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