高野房太郎より高野岩三郎宛書簡(1890年10月20日付)
「岩三郎 殿
在桑港
房太郎拝
十月廿日
九月廿四日出之御書面正ニ拝承仕候別紙之
通リ今便ニテ米金十弗相送リ申候間御入手
被下度候
井山御老母御死去之由別封弔状封入致置
候間御廻送被下度候
当地着後旬日ニシテ一ノ奉公口ヲ見出其后
早速学校ヘ入校之手続相運候処
不幸ニモ次学期之始マル迄ハ入校ヲ許ス
事ヲ不得トノ事ニテ大ニ失望仕候成程他
ノ学校ト異ナリ商業科目ハ皆始メヨ
リ修ムル必要有之候者故無致方来一月
上旬之始期ヲ相待ツ事ニ致シ仝時迄ハ再
ビ全日之労働相採ル事ニ致シ明朝ヨリ
労働致シ始メ候都合ニ御座候間御休神
被下度候右之次第故御地送金之都合
トハ更ニ差支無之候
コレラ病大流行ノ由新聞ニテ承知致候
随分御養生専一ニ奉願候
O. F Takano
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