第1巻 『日本労使関係の比較史的検討』
- 第1章 企業別組合の歴史的背景(1997.9.25掲載、2000.3.21 校正及び補正して再掲載)
「日本の労働組合が企業別組織であるのは何故か」という疑問を、もっぱら労働市場要因によって説明してきた大河内一男氏らの通説を批判し、問題の解明をこころみた論稿。著者が戦後労働組合運動を論じた最初の作品であり、著者のその後の研究にとってもひとつの画期となった論文。(この点については回顧座談会における発言参照)
初出は法政大学大原社会問題研究所『研究資料月報』No.305、1984年3月。
- 第2章 日本労使関係の歴史的特質(1997.9.25掲載、2000.4.12 校正及び補正して再掲載)
日本の労使関係の歴史的特質を探り、つぎの諸点を指摘した論稿。1)クラフト・ギルド、クラフト・ユニオンの伝統の欠如、2)戦前から1950年代の労働組合運動においてブルーカラー労働者が差別に対する強い憤懣を抱いていたこと、3)この差別に対する憤懣が敗戦後の企業民主化要求の背景にあり〈工職混合組合〉を成立させた動因であったこと。
社会政策学会での報告をもとにまとめたもの。初出は社会政策学会編『日本の労使関係の特質』(社会政策学会年報第31集、1987年、御茶の水書房刊)所収。
- 第3章 戦後社会の起点における労働組合運動(1997.9.25掲載、2000.4.7 校正及び補正して再掲載)
敗戦直後の日本の労働組合運動について検討。具体的には、日本の労働組合はなぜ企業別になったのか、また欧米には例のない、ブルーカラーとホワイトカラーの同一組織なったのはなぜか、といった謎の解明を意図した論稿。さらに戦後労働組合運動におけるホワイトカラーの独特の役割を検討している。
初出は、渡辺治他編《シリーズ 日本近現代史 構造と変動》4 『戦後改革と現代社会の形成』(岩波書店、1994年刊)、所収。
- 補 論 「工員・職員の身分差別撤廃」(1998.9.25掲載)
『日本労働研究雑誌』no.443(1997年4月号)、特集「キーワードで読む戦後の労働」の1項目。
- 第4章 日韓労使関係の比較史的検討(1997.9.25掲載、2000.4.12 校正及び補正して再掲載)
労働組合の組織形態が企業別であるなど共通するところの多い日韓両国の労使関係の特質を、欧米の労使関係の歴史との比較において検討した論文。両国間の共通性と同時に、経営主体の性格の違い、意思決定において合意形成を重視する日本に対し、強力なリーダーシップを期待する韓国という違いがあることなどを指摘している。
初出は『大原社会問題研究所雑誌』No.460(1997年3月)、若干の補訂を加え法政大学大原社会問題研究所編『現代の韓国労使関係』(1998年、御茶の水書房刊)に収録。
- 第5章 日本における職業集団の比較史的特質
──戦後労働組合から時間を逆行し、近世の〈仲間〉について考える(2001.11.20掲載)
各国の労使関係・労働運動と工業化前の社会関係との関連を指摘し、日本近世史研究者、とりわけ都市史研究者に、近代との関連を意識し、国際比較的な視点にたった研究の必要性を訴えた論稿。具体的には、戦後日本の労働組合がブルーカラーとホワイトカラーが企業別組織を構成しているという独特の個性をもっていることの歴史的根拠をさぐるため、時間を逆行しつつ明治の労働組合運動、労働者集団について検討し、さらに江戸時代の〈仲間〉をヨーロッパのギルドと比較し、その特質の解明をこころみている。
初出は、大阪市立大学経済学会『経済学雑誌』第102巻第2号(2001年9月20日)。
- 日本の労働運動──1868〜1914年(98.9.26掲載、2000.5.24 表を追加)
アムステルダムの社会史国際研究所が主催した世界27カ国・地域の労働運動生成に関する国際比較研究プロジェクトに参加した際提出した英文論稿の日本語版。欧米の生成期の労働運動で重要な役割を果たした職人が、日本の労働運動ではきわめて弱体であった事実を明らかにし、その原因を解明している。なお編者から、冒頭で各国の政治・経済の概況について記すことが求められた。もとの英文は、Marcel van der Linden & Jürgen Rojahn(ed.),The Formation of Labour Movements 1870-1914: An International Perspective, Vol.II(E.J.Brill, 1990)に収録されている。
日本語版は本著作集が初出。
- 第一次大戦前後の労働運動と労使関係──1907〜1928(2000.3.18掲載)
岩波講座『日本歴史』18 近代5(1975年刊)に「労働者階級の状態と労働運動」のタイトルで発表した論文。編者から「日露戦争期から評議会解散までの労働者階級の状態と労働運動について検討すること」を課題として与えられて執筆した。
- 戦間期日本の労働運動──1917〜1940(2000.6.20掲載)
『労働運動史研究』第50号(1969年6月)に「戦前における労働運動の本格的発展と敗北」のタイトルで発表。第一次世界大戦から第二次世界大戦まで、戦間期の日本労働運動の歩みを概観することを課題として与えられて執筆。
- 第二次大戦以降の日本労使関係──1940-1993
(2000.7.24掲載)
オーストラリア・ウロンゴング大学主催《日本とオーストラリアの労使関係史の比較研究》プロジェクトでの報告元原稿。英文版はJim Hagan & Andrew Wells(ed), Industrial Relations in Australia and Japan, Allen and Unwin, 1994に掲載。
日本語版は本著作集が初出。
- 戦後社会の起点における労働組合運動(1997.9.25掲載、2000.4.7校正及び補正)
初出は、渡辺治他編《シリーズ 日本近現代史 構造と変動》4 『戦後改革と現代社会の形成』(岩波書店、1994年刊)、所収。第1巻と重複掲載。
- 日本労働組合評議会史関係文献目録および解説
(2000.4.14掲載)
1925(大正14)年から1928(昭和3)年にかけて存在した左翼労働組合全国組織に関する研究を総括した小論。みすず書房『現代史資料月報』1965年10月に寄稿。
- 文献研究・日本労働運動史(戦前期)
(2000.3.25掲載)
労働問題文献研究会編『文献研究 日本の労働問題《増補版》』(総合労働研究所、1971年)に寄せた論稿。大河内一男氏らの労働組合史理解に反対し、労働争議研究の重要性を強調している。この研究史論文については「大原社会問題研究所との43年」を参照。
- 研究動向・労働運動史(2000.4.2掲載)
初出は、日本経済学会連合編『経済学の動向』中巻(東洋経済新報社、1971年)の第9部「社会政策」第6章。塩田庄兵衛、中林賢二郎の両氏との連名であるが、ほとんどは二村の執筆である。両氏が加筆された「社会主義政党史」に関する箇所〔約40字〕と関連文献1点は、ここでは削除した。
- 1960年代における日本労働問題研究の到達点──兵藤釗『日本における労資関係の展開』に寄せて(1997.11.18掲載)
いまや古典となった兵藤釗氏の処女作を、大河内一男氏の研究成果と対比しつつ紹介、論評した研究史的書評論文。初出は『季刊 労働法』第80号(1971年6月)。
- 日本労働運動史参考文献案内(2000.4.10掲載)
是枝洋氏と共同で、初学者のために執筆した「日本労働運動史参考文献案内」(歴史科学協議会編『歴史科学への道 上』(校倉書房、1976年所収)。25年も前、データベースやインターネットを利用しえなかった時期の論稿で、今となってはほとんど実用上の価値はない。ただ、冒頭で最低限の追補をおこない、新しい時代へのとりあえずの対応を試みている。
- 研究動向・労使関係・労働運動(2000.4.2掲載)
日本経済学会連合編『経済学の動向』第2集(東洋経済新報社、1982年)に、IX 社会政策第4章として執筆。
- 労働運動史研究会の25年(2000.3.31掲載)
著者が創立期から関与し、事務局長もつとめた労働運動史研究会の四半世紀の歴史を総括した論稿。『労働運動史研究会会報』第5号(1983年4月)所収。
- 企業別組合の歴史的背景(1997.9.25掲載、2000.3.21 校正及び補正して再掲載)
成立根拠論を中心に「企業別労働組合」研究を整理した研究史的部分をふくむ論文。同時に、戦後日本の労働組合を単に企業別だけでなく、ホワイトカラーとブルーカラーが同一組織に属している点を強調したもの。第1巻との重複掲載。
初出は法政大学大原社会問題研究所『研究資料月報』No.305、1984年3月。
- 労働争議研究の成果と課題(1998.9.26掲載)
『足尾暴動の史的分析』をまとめた後で、自分史的に「労働争議研究」の研究史を論じた論稿。関係文献一覧付き。
初出は、『労働運動史研究会会報』no.16(1988年6月)。
- 1991年度歴史学研究会大会報告批判:近代史部会(2000.5.18掲載)
「労働者──その結合の形態と論理」を主題とする1991年度歴史学研究会大会近代史部会の報告に対する批判。検討の対象としたのは、石原俊時「19世紀スウェーデン社会と労働組合運動」、東條由紀彦「日本の労働者の自己意識の変遷について」、中国労働運動史研究会報告者集団「民国期中国労働者の構成・意識・組織」の3報告。
初出は『歴史学研究』No.627(1991年12月)。
はじめに(2003.9.25掲載)
序 章 暴動の舞台・足尾銅山(2003.10.8掲載)
立地・交通 地理、人口 足尾銅山沿革 古河鉱業会社
足尾鉱業所 坑部課 飯場制度 友子同盟
第1章 足尾暴動の主体的条件──〈原子化された労働者〉説批判──(2003.10.8掲載)
はじめに
原子化された労働者説 疑問点
1 治安警察法下での労働組合結成の企て(2003.10.10掲載)
1) 大日本労働同志会
組織者・永岡鶴蔵 同志会の意図 構成員 相互救済
1) 大日本労働同志会(2)
(2003.10.10掲載)
宣伝啓蒙活動
1) 大日本労働同志会(3)(2003.10.10掲載)
同志会の成果 同志会の分裂と共和会
2) 大日本鉱山労働会(2003.10.10掲載)
同志会と共和会の合同
2 大日本労働至誠会の結成とその波紋(2003.10.11掲載)
1) 大日本労働至誠会足尾支部
南助松の入山と運動方針の転換
2) 至誠会と飯場頭、友子同盟の関係
飯場頭・友子同盟への働きかけ
3) 会社側の対応
古河鉱業会社重役の対応 足尾鉱業所幹部の対応 鉱夫へも内地米供給
3 〈暴動〉前夜(2003.10.12掲載)
1) 飯場頭・友子同盟と至誠会の関係
飯場頭の賃上げ嘆願 友子同盟の賃上げ運動
2) 友子同盟と飯場頭の対立
至誠会と友子同盟の接近 箱取り戻し 友子同盟4山、請願で合意
4 〈暴 動〉(2003.10.14掲載)
1) 〈暴動〉の経過と特徴
2月4日、通洞 2月5日、簀子橋、本山 2月6日、本山坑内→本山坑外 暴動化
2) 当局側の対応
警察の無力 出兵要請 出兵、鎮圧
3) 事後処理
全員解雇、選別再雇用 賃上げ実施
5 〈暴動〉をめぐる諸問題(2003.10.15掲載)
1) 暴動の直接的原因をめぐる諸説の検討
偶発説 至誠会、教唆・扇動説 飯場頭首謀説
2) 小滝坑暴動不参加の理由
坑場長の対応の違い
3) 現場員・坑夫対立の背景(2003.10.15掲載)
賄賂横行の原因
4) 南挺三所長攻撃の理由
元官僚・南挺三の個性 経営政策転換の影響 至誠会による南所長批判の影響
6 〈原子化された労働者〉説批判(2003.10.16掲載)
1) 自然発生説について
組織性と自然発生性
2) 〈原子化された労働者〉説批判
鉱山労働運動における友子同盟の意義
永岡鶴蔵と友子同盟
結社形成的労働者と暴動
足尾例外説の検討
結びに代えて──暴動後の友子同盟と飯場制度(2003.10.16掲載)
山中委員制度の廃止 飯場制度改革
はじめに(2004.2.7掲載)
1 〈出稼型〉論とその問題点(2004.2.7掲載)
〈出稼型〉論 〈出稼型〉論に対する批判論 課題
2 飯場制度の定義(2004.2.28掲載)
飯場制度の機能 外見上の雇用主
3 山 師 制(2004.2.28掲載)
4 飯場制度の生成(2004.8.31掲載)
下稼人 統一的開坑 下稼人制度の廃止
5 飯場制度存立の根拠(2004.8.31掲載)
飯場制度と〈出稼型〉論 作業請負存続の根拠
6 採鉱法の進歩(2004.8.31掲載)
抜き掘法から階段掘法へ 階段掘法と作業請負の廃止
7 飯場制度の変質(2004.8.31掲載)
飯場頭の坑夫統括力の弱化
むすび(2004.8.31掲載)
★ 補論1 飯場頭の出自と労働者募集圏(2004.9.3掲載)
飯場制度の労働力確保機能
飯場頭の出自
足尾銅山の労働者募集圏
★
補論2 足尾銅山における囚人労働(2004.9.3掲載)
囚人労働の始まり
行刑上の制約
囚人の労働条件
鉱業発達史における囚人労働の意義
足尾での囚人労働の終わり
【付】
『足尾暴動の史的分析』内容紹介
1985年に東京大学出版会から出版した著書の内容紹介。本文を掲載するまでの繋ぎとして、その内容を紹介します。
- 労働関係研究所の歴史・現状・課題(1997.12.21掲載)
日本における労働関係研究所の歴史をたどり、今後の課題について考える。『大原社会問題研究所雑誌』の特集「日本の労働関係研究所」の総論として執筆。
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第400号、1992年4月
- 大原社会問題研究所の70年(1997.12.26掲載、98.5.5訂正及び画像追加)
研究所の正史は『大原社会問題研究所50年史』を最後に、その後30年余も刊行されていない。その欠を補うため、研究所創立70周年記念の特集号「大原社会問題研究所の歴史と現状」(『大原社会問題研究所雑誌』363号、1989年2月)の巻頭論文として執筆したもの。
- 多摩移転前後の大原社会問題研究所──1982〜1993年(1997.12.29掲載)
法政大学多摩キャンパスへの移転10周年を記念した白書のために執筆。前掲の「大原社会問題研究所の70年」を追補する意味あいがある。また『白書』では、紙幅の制約から編集者によって削除された箇所を原稿を元に復元しているので、本稿の方がやや詳しい。さらに主要事項年譜を付している。
初出は、編集委員会編『法政大学多摩キャンパス10年史:白書』(1995年刊)。
- 戦前の労働調査をめぐって(1997.12.31掲載)
1988年5月19日、経済資料協議会総会での講演原稿に加筆(未完)。
- 協調会の労働調査について(1997.12.31掲載)
〈日本および欧米における貧困・生活問題に関する社会調査の成立と発展の比較・文献研究〉プロジェクトにおける報告原稿に若干加筆。本著作集が初出。
- 大原社会問題研究所の戦前資料について(2002.9.24掲載)
初出は法政大学大原社会問題研究所『資料室報』第123号(1966年9月)、同第129号(1967年4月)に再録。
- 大原社会問題研究所所蔵の裁判記録について(2002.9.23掲載)
初出は日本弁護士連合会『自由と正義』第41巻第8号(1990年8月)。
- 大原社会問題研究所を創った人びと(1997.9.25掲載、1997.12.26画像追加、2000.4.6校正および訂正して再掲載)
1994年2月9日、大原社会問題研究所創立75周年記念集会での講演記録。最初に研究所の創設者・大原孫三郎の独特の個性について述べ、彼のような人物がなぜ倉敷という町で生まれたのかについて検討している。また彼の周辺にいた山川均、石井十次、林源十郎、大原総一郎らの人物像を描き、さらに研究所の初代所長で大原社会問題研究所の個性を決定した高野岩三郎について論じている。
初出は『大原社会問題研究所雑誌』No.426(1994年5月号)。
- 大原社会問題研究所と女性学研究(1997.11.20掲載)
大原社会問題研究所が女性問題研究で先駆的な存在であったこと、現在も、事実上、ジェンダー関連アーカイヴスとして機能していることを述べている。1996 年4月5日、《21世紀の法政大学》審議会の「女性と大学」をテーマとする第11作業部会での報告原稿に加筆。本著作集が初出。
- 大阪労働学校をめぐる人びと(1997.12.28掲載)
大阪時代の大原社研が密接なかかわりをもった大阪労働学校をめぐる人びと──賀川豊彦、高野岩三郎、森戸辰男らについて語っている。1982年5月2日に大阪市立労働会館で行われた「法政大学市民講座」における講演内容を要約加筆した論稿。
初出は『法政通信』1982年7月号。
- 賢兄・愚弟──大原社研の昔と今(1997.12.25掲載)
大原社研の戦前と戦後とを比較し、研究所をとりまく状況の変化をのべたもの。
初出は『法政』1989年1月号。
- 《大原社研こぼれ話》
大原社会問題研究所に関連した人びとを中心に、大原社研にまつわるさまざまなエピソードを描いたエッセー集。大原社会問題研究所外史ともいうべきもの。
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第359号(1988年10月) から第381号(1990年8月) に連載。
a) 大原孫三郎が出した金(1997.9.25掲載、1998.4.19画像追加)
b) 大原孫三郎と河上肇(1997.9.25掲載)
c) 河上肇と大原孫三郎(1997.9.25掲載、1998.5.7画像追加)
d) 研究員第1号(1997.9.25掲載)
e) 後藤貞治のこと(1997.9.25掲載、1998.5.3画像追加)
f) 柏木の土蔵(1997.9.25掲載)
g) 荒畑寒村の見た大原社研開所式(1997.9.25掲載)
h) 月島調査と大原社研(1997.9.25掲載)
i) 宇野弘蔵と浅草調査(1997.9.25掲載)
j) 権田保之助のこと(1997.9.25掲載)
k) 権田と櫛田──明治の社会主義青年(1997.9.25掲載)
- 未完の高野房太郎伝──大島清先生のこと(1997.10.2掲載、98.5.3画像追加 98.5.7付記追加)
法政大学大原社会問題研究所元所長であり、高野岩三郎・房太郎研究での先達でもある大島清先生についての追憶。『人生は旅 人は旅人──大島清追憶文集』(私家版、1985年5月刊)への寄稿。
- 爽やかな笑顔──中林賢二郎さんのこと(1997.10.2掲載 98.5.7 画像追加)
法政大学大原社会問題研究所研究員として先輩だった中林賢二郎さんの思い出。
初出は『労働法律旬報』1139号(1986年3月上旬)、のち『追憶 中林賢二郎』(1987年2月刊)に採録。
- 《日本社会運動史料》と松尾多賀さん(1997.10.2掲載 2000.4.29画像追加)
松尾多賀さんは、《日本社会運動史料》におさめた『無産者新聞』、『労農新聞』などの詳細な索引を作成された縁の下の力持ちだった。
初出は、松尾洋編『松尾多賀をおくる』(1995年5月刊)。1997年10月2日加筆。
- 座談会《政経ビル時代の思い出──戦後初期の大原社研》(2001.8.2掲載)
研究所創立70周年記念号に掲載した追憶座談会の記録。敗戦直後、戦災で事務所を失った大原社研は東京お茶の水駿河台にあった政治経済研究所のビルの一室で研究所の再建にあたった。当時の関係者を中心に、戦後初期の研究所について語っていただいた。文責は二村。
初出は『大原社会問題研究所雑誌』No.363・364、1989年2月3月合併号。
- 回顧座談会《大原社会問題研究所との43年間》
初出は『大原社会問題研究所雑誌』No.484、1999年3月号
同上 PDF版
- 『無産者新聞』小史(上)(1999.9.25掲載)
《復刻シリーズ 日本社会運動史料》のために執筆した書誌的研究論文。『無産者新聞』は、1925年から28年にかけて刊行された日本共産党の「合法機関紙」で、戦前の社会運動機関紙誌のなかでは最大の発行部数を有し、社会・労働運動関係者の間での影響力は大きかった。(上)では、 創刊事情、無産者新聞社の組織などについて紹介している。
初出は、上中下の3分割でなく、上下に2分割して法政大学大原社会問題研究所『資料室報』No.247(1978年8月)およびNo.249(1978年10月)に掲載した。その後、訂正のうえ1979年に刊行した復刻版『無産者新聞』〔四〕に「解題」として収録した。
- 『無産者新聞』小史(中)(1999.9.25掲載)
(中)では、無産者新聞社の執筆、編集、刊行などを担当した人びとについて述べている。本社の編集・営業などに従事した人びとは、氏名が判明しているだけでも60人をこえる。本稿執筆のためにお目にかかった二十数人の関係者のほとんどは故人になってしまわれた。
- 『無産者新聞』小史(下)(1999.9.25掲載)
(下)では、 「4 印刷および配布」「5 財政状態」「6 終刊事情」「7 号数確定の根拠について」「8 発禁号の特定」を収録。
- 新人会機関誌の執筆者名調査
(2000.2.12掲載)
初期新人会の機関誌である『デモクラシイ』『先駆』『同胞』『ナロード』の4誌について、無署名、ペンネームなどを調査、復元した。文献調査のほか、関係者多数からの聴き取りによって、従来不明だった筆者多数を明らかにしている。《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、法政大学大原社会問題研究所『資料室報』第148号(1969年2月)に掲載。
- 雑誌『マルクス主義』の5年間(1)(2000.1.27掲載)
《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、大原社研『資料室報』203号(1974年 5月)、215号(1975年7月)に掲載。ここでは、警察官による聴取書や予審訊問調書などの刑事記録の史料としての問題点を検討している。
- 雑誌『マルクス主義』の5年間(2)(2000.1.27掲載)
《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、大原社研『資料室報』203号(1974年 5月)に掲載。この部分では、解党状態だった第一次日本共産党の再組織の中心だった「ビューロー」の実態と『マルクス主義』の創刊事情、さらに1925年に開かれた「上海会議」とその影響について論じている。
- 雑誌『マルクス主義』の5年間(3)(2000.1.27掲載)
《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、大原社研『資料室報』215号(1975年7月)に掲載。1925年に共産党再建の第一歩として結成された「コミュニスト・グループ」について検討している。
- 雑誌『マルクス主義』の5年間(4)(2000.1.27掲載)
《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、大原社研『資料室報』215号(1975年7月)に掲載。ここでは「コミュニストグループ」のメンバーが誰であったか、およびグループと『マルクス主義』の関係について調べている。
- 雑誌『マルクス主義』の執筆者名調査
(2000.3.5掲載)
文献調査とともに多数の関係者からの聴き取りによって、無署名論文の筆者やペンネームを調査。また同誌の刊行状況および発売頒布禁止状況も調査し、従来の書誌の誤りを正している。《復刻シリーズ 日本社会運動史料》の準備作業として、大原社研『資料室報』177号(1971年11月)に掲載。なお、末尾に『資料室報』215号(1975年7月)に掲載した「雑誌『マルクス主義』の執筆者名調査補正」を加えた。
書 評 編
- 紹介 Eric Lee, The Labour Movement and the Internet: the New Internationalism(1998.9.25掲載、2000.9.18校正、補訂および関連サイトへのリンク追加)
同 PDF版(2001.6.6掲載)
London, Pluto Press, 1997, xi+212 pages.
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第478号(1998年9月)。
- 日本労働社会学会年報 6 『〈企業社会〉の中の女性労働者』(1997.9.25掲載、2000.9.18校正)
日本労働社会学会発行・東信堂発売、1995年9月、A5判、205頁、3000円、ISSN0919-7990
初出は『大原社会問題研究所雑誌』457号、1996年12月。
- 栗田健 『日本の労働社会』(1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
東京大学出版会、1994年4月、A5判、xi+231頁、4000円、ISBN4-13-056044-1
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第433号、1994年12月。
- 尾高煌之助 『職人の世界・工場の世界』(1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
リブロポート、1993年3月、四六判、305+x頁、2900円、ISBN4-8457-0806-X
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第423号、1994年2月。
- 小林英夫 『東南アジアの日系企業』(1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
日本評論社、1992年5月、A5判、246頁、3200円
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第412号、1993年3月。ただし本著作集への掲載にあたり部分的に加筆した。
- 労働争議史研究会編 『日本の労働争議(1945〜80年)』
東京大学出版会、1991年1月、A5判、452+15頁、9200円、ISBN4-13-056036-0
刊行記念の研究会での報告原稿。本著作集が初出。
- R. ビーン編著 法政大学日本統計研究所 伊藤陽一・杉森滉一他訳 『国際労働統計』(1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
梓出版社、1990年10月、A5判、334頁、3800円、ISBN4-900071-66-8
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第387号、1991年2月。
- 村串仁三郎『日本の伝統的労資関係』(1997.10.29掲載、2000.9.20校正)
世界書院、1989年8月刊、A5判 459頁 6800円
初出は『歴史学研究』第629号(1992年2月) 。
- Stephen Marsland, The Birth of the Japanese Labor Movement (1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
University of Hawaii Press, Honolulu, 1989, ix+271pp. $27.00.
初出は『大原社会問題研究所雑誌』第394号、1991年9月。
- 吉田千代 『評伝 鈴木文治』(1997.9.25掲載、2000.9.20校正)
日本経済評論社、1988年4月、四六判、xi+332頁、2200円、ISBN4-8188-0232-8
初出は、社会政策学会年報 第33集『「産業空洞化」と雇用問題』(1989年、御茶の水書房) 。
- 立花雄一 『評伝 横山源之助』(2000.9.20校正)
創樹社、1979年4月、A5判、278頁、ISBN0095-0108-4249
初出は『法政』第302号、1980年5月。ただし、1997年9月30日、本著作集への掲載にあたり部分的に修正。
- 隅谷三喜男編 『日本労使関係史論』(1997.10.20掲載、2000.9.20校正)
東京大学出版会、1977年9月、A5判、xi+310頁、ISBN3036-51122-5149
初出は『経済学論集』(東京大学経済学部)第44巻第3号、1978年年10月。ただし、1997年10月16日一部の記号、語句を訂正。
- 岩村登志夫『日本人民戦線史序説』(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
校倉書房、1971年5月、A5判、326頁。 初出は『東京新聞』1971年6月7日夕刊。
- 兵藤釗『日本における労資関係の展開』(1997.11.18掲載、2000.9.20校正)
東京大学出版会、1971年2月、479頁
初出は『季刊労働法』第80号(総合労働研究所、1971年6月)。原題は「一九六〇年代における日本労働問題研究の到達点−−兵藤釗『日本における労資関係の展開』に寄せて」。
- 川口武彦編 『堺利彦全集』(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
法律文化社、全6巻、1970年の紹介。 初出は『日本読書新聞』1970年10月5日付。
- 斎藤勇 『名古屋地方労働運動史』(明治・大正篇)(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
風媒社、1969年11月、A5判、747頁。 初出は『日本読書新聞』1970年3月9日号。
- 隅谷三喜男編集・解説 『職工及び鉱夫調査』(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
生活古典叢書 3、光生館、1970年、204頁。 初出は『朝日新聞』1970年3月3日付。ただし、掲載に当たり、語句の一部を訂正した。
- 星島一夫 『地方労働運動史研究序説』(1997.11.11掲載、2000.9.20校正)
愛媛大学経済研究叢書 1、1967年、愛媛大学文理学部刊 114頁。 初出は『労働運動史研究』第48号、1968年4月。
- 信夫清三郎・渡部徹・小山弘健編 『講座 現代反体制運動史』第1巻(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
三一書房、1960年5月、342頁。 初出は『読書新聞』1960年6月13日付。
- ハイマン・カブリン編著 『明治労働運動の一齣』(1997.11.10掲載、2000.9.20校正)
有斐閣、1959年、138+114頁。 初出は『読書新聞』1959年10月5日。掲載にあたり一部の語句を補正した。
拙著『足尾暴動の史的分析──鉱山労働者の社会史』(1988年、東京大学出版会)に寄せられた書評のうち執筆者の承諾がえられたものを掲載(五十音順、敬称略)。
- 『足尾暴動の史的分析』内容紹介
(2002.1.31掲載)
1988年に東京大学出版会から出版したこの本は、本来ならこの著作集の柱ともなるべき本です。大方
の書評では過分の評価をあたえられ、また日本労働協会の労働関係図書優秀賞も受賞しましたが、まったく売れ行き不振、いまだに初版本が残っている始末です。ここに簡単な内容紹介を書き、小見出しまでふくめた詳細目次も作成しました。ご参照の上お買い求めいただければまことに幸いです。
- 『足尾暴動の史的分析』訂正箇所一覧
(2002.1.18掲載)
誤記、誤植を訂正すると同時に、表現上の訂正箇所を記しています。
- 高野房太郎著 大島清・二村一夫編訳
『明治日本労働通信──労働組合の誕生』補訂版(2001.5.20掲載)
1997年刊行の上掲の岩波文庫の正誤訂正と、新発見の高野房太郎論稿「米国桑港通信」など5本を追加掲載します。いずれ、高野の手紙に対応するゴンパーズらの手紙も掲載したいと思ってはいますが、しばらくご猶予ください。