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『明治日本労働通信』(岩波文庫) 補訂


  1997年7月、岩波文庫の1冊として高野房太郎著、大島清・二村一夫編訳『明治日本労働通信──労働組合の誕生』を刊行しました。同書は、高野房太郎がその生涯の間に書き残した文献を、筆名、匿名をふくめ網羅することを目指して編集したものでした。しかし、同書を買ってくださった読者には申し訳けないことですが、その後房太郎が「O.F.T.」の名で『読売新聞』に執筆した論稿を5本、〈在米桑港 一商生〉の名で発表した論稿を1本発見しました。
  今回追補するのは、本来ならば文庫本の第3部 「日本文編」の冒頭に入るべきものです。
  また、文庫の巻末に、解説にかえて執筆した「高野房太郎小伝」に、訂正すべきところがあることもわかりました。
  しかし、すでに販売された活字版を訂正することは出来ませんので、とりあえず本サイトで、同書の補訂をおこなうことにしました。
  出版社とは無関係に、同書の編集・翻訳・解説を担当した二村一夫個人の責任においておこなう作業であることをお断りしておきたいと思います。  




増補分

  1. 高野房太郎「米国桑港通信」 第1回(2001.3.6掲載)
  2. 高野房太郎が〈O.F.T.生〉の名で、『読売新聞』明治20(1887)年12月22日、同24日、同25日付に寄稿した通信。

  3. 高野房太郎「米国桑港通信」 第2回(2001.4.21掲載)
  4. 『読売新聞』明治21(1888)年5月1日、同3日掲載。

  5. 高野房太郎「米国桑港通信」 第3回(2001.5.16掲載)
  6. 『読売新聞』明治21(1888)年5月22日、同24日、同26日掲載。 

  7. 高野房太郎「米国桑港通信」 第4回(2001.11.7掲載)
  8. 『読売新聞』明治21(1888)年7月24日、同25日掲載。 

  9. 高野房太郎「米国桑港通信」 第5回 (2002.2.10掲載)
  10. 『読売新聞』明治21(1888)年10月12日、同13日、同17日、同20日掲載。

  11. 高野房太郎「桑港に日本旅店を創設するとは信乎」 (未掲載)
    〈在米桑港 一商生〉の名で『読売新聞』に投稿したもの。1888(明治21)年8月1日および2日号に掲載。高野房太郎執筆の確証はないが、掲載紙、掲載時期、文体などの情況証拠を考慮すれば、99%間違いないと考える。




「高野房太郎小伝」正誤表

箇所
492ページ、11行目神田区橋本町
第一大区十二小区

ここをクリックすれば訂正理由が分かります
492ページ、最終行神田枝町(まつがえちょう)
神田 松枝町(まつえだちょう)
494ページ、10行目 一八八一(明治一四)年三月
三月を削除

ここをクリックすれば訂正理由が分かります
517ページ、8行目日本人が主として雇われた主として削除
531ページ、2行目おそくとも一八九年おそくとも一八九年




文庫本目次

★ 編訳者まえがき
★ 英文書簡編 〔アメリカ労働総同盟会長サミュエル・ゴンパーズ宛書簡22通ほか〕
★ 英文通信編 〔アメリカの労働組合機関紙誌への寄稿21本〕
★ 日本文編 〔筆名・匿名もふくめ高野房太郎執筆と確認しうる論稿を網羅的に収めた〕
★ 編訳注 〔人名、事項などを中心に160項目37ページの注〕
★ 高野房太郎小伝 〔謎にみちた高野房太郎の生涯をさぐる〕




法政大学大原社会問題研究所            社会政策学会  

編集雑記            著者紹介


Written and Edited by NIMURA, Kazuo
『二村一夫著作集』
The Writings of Kazuo Nimura
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