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すっかりご無沙汰いたしました。「新春のごあいさつ」以来ですから、ほとんど8ヵ月ぶりの《編輯雑記》更新です。実は、ここ数年来、年頭のごあいさつでふれてきたAndrew Gordon の代表作 The Evolution of Labor Relations in Japan の日本語版が、ようやく刊行の運びになりました。それも日本語版オリジナルの「補論」を付した増補版です。出版社は岩波書店、当初は7月24日の刊行を予定し、7月の新刊案内に掲載されたのですが、私が再校で文章を直したり、索引も組み替えたりしたものですから2週間遅れ、8月7日に書店の店頭に並ぶことになりました。ちなみに、Amazonでは1日遅い、8月8日発売となっています。私の身勝手な要求で、編集担当者や校正者の皆さまには、たいへんご迷惑をかけました。お詫び申し上げます。昨年夏にはいちおう翻訳を終えていましたから、本になるのに1年近くかかったわけで、ちょっとほっとしています。
定価は本体価格8000円、税込み8400円とかなり高いのですが、A5判554ページの大冊ですから、決して割高ではないと思います。内容については、600万アクセスという驚異的な記録の《hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)》で、濱口桂一郎さんが、「この本は、日本で書かれたものを含めて、日本労使関係史の中で最高傑作と言って いいんじゃないでしょうか。 それも、原著は主として戦前編ですが、現在に至る補論まで つけて出るというのですから、待ち遠しい限りです」、と折り紙をつけてくださっています。『日本の200年』(森谷文昭訳、みすず書房刊)で多くの読者を得たアンドルー・ゴードンが、その若き日に8年の歳月をかけて完成させた彼の処女作です。内容の明快さは、訳者の私が保証いたします。ぜひご一読ください。〔2012.7.27記〕
本書は8月7日に、無事に刊行されました。またその後、本著作集に「訳者あとがき」を掲載しました。さらに岩波書店サイト内の「立ち読み」コーナーでは、「日本語版序文」「謝辞」「凡例」「目次」の全て、さらに「序章」の3分の2ほどをPDFファイルで読むことが出来ます。ご参考まで。〔2012.8.17追記〕
その後さらに「著者からのメッセージ」が岩波書店のサイト内に掲載されました。〔2012.8.22追記〕