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《編集雑記》21 (2012年1月〜 )

新春のごあいさつ






アンドルー・ゴードン著 二村一夫訳
『日本労使関係史 1853-2010』刊行

すっかりご無沙汰いたしました。「新春のごあいさつ」以来ですから、ほとんど8ヵ月ぶりの《編輯雑記》更新です。実は、ここ数年来、年頭のごあいさつでふれてきたAndrew Gordon の代表作 The Evolution of Labor Relations in Japan の日本語版が、ようやく刊行の運びになりました。日本労使関係史表紙それも日本語版オリジナルの「補論」を付した増補版です。出版社は岩波書店、当初は7月24日の刊行を予定し、7月の新刊案内に掲載されたのですが、私が再校で文章を直したり、索引も組み替えたりしたものですから2週間遅れ、8月7日に書店の店頭に並ぶことになりました。ちなみに、Amazonでは1日遅い、8月8日発売となっています。私の身勝手な要求で、編集担当者や校正者の皆さまには、たいへんご迷惑をかけました。お詫び申し上げます。昨年夏にはいちおう翻訳を終えていましたから、本になるのに1年近くかかったわけで、ちょっとほっとしています。
 定価は本体価格8000円、税込み8400円とかなり高いのですが、A5判554ページの大冊ですから、決して割高ではないと思います。内容については、600万アクセスという驚異的な記録の《hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)》で、濱口桂一郎さんが、「この本は、日本で書かれたものを含めて、日本労使関係史の中で最高傑作と言って いいんじゃないでしょうか。 それも、原著は主として戦前編ですが、現在に至る補論まで つけて出るというのですから、待ち遠しい限りです」、と折り紙をつけてくださっています。『日本の200年』(森谷文昭訳、みすず書房刊)で多くの読者を得たアンドルー・ゴードンが、その若き日に8年の歳月をかけて完成させた彼の処女作です。内容の明快さは、訳者の私が保証いたします。ぜひご一読ください。〔2012.7.27記〕

 本書は8月7日に、無事に刊行されました。またその後、本著作集に「訳者あとがき」を掲載しました。さらに岩波書店サイト内の「立ち読み」コーナーでは、「日本語版序文」「謝辞」「凡例」「目次」の全て、さらに「序章」の3分の2ほどをPDFファイルで読むことが出来ます。ご参考まで。〔2012.8.17追記〕
 その後さらに「著者からのメッセージ」が岩波書店のサイト内に掲載されました。〔2012.8.22追記〕








アンドルー・ゴードン著 二村一夫訳
『日本労使関係史 1853-2010』第2刷発行

有難いことに、初版刊行から僅かに3ヵ月余で『日本労使関係史 1853-2010』は完売となり、11月26日に第2刷が発行されました。もちろん、第2刷では、第1刷の誤植など〔別項の正誤訂正表参照〕は訂正されています。この本がわりあい良く売れるだろうとは、そのテーマや内容からある程度は予想していたことですが、8400円もする高価な本ですから、もう少し時間がかかるだろうと思っていました。やはり『日本経済新聞』が、10月7日付朝刊の《この一冊》欄で紹介してくださったことが追い風になったようです。同紙の水野祐司論説副委員長が「この本は幕末・維新以降の150年間に、労働者が賃金引き上げや長期雇用を勝ち取ってきた歩みを追いながら、日本の中間層がどのように形づくられてきたかを浮かび上がらせた労作だ」と、好意的に紹介してくださっています。なお、この書評はWeb上でも全文を読むことが出来ます。
 また、法政大学大原社会問題研究所の『大原社会問題研究所雑誌』も、12月号で金子良事さんが書評してくださいました。同誌は発行から1ヵ月後にはPDFで公開されます。こちらは、限られた専門研究者向けの書評ですが。
 以上取りあえずご報告まで。〔2012.8.22追記〕





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【最終更新:

Written and Edited by NIMURA, Kazuo
『二村一夫著作集』
The Writings of Kazuo Nimura
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